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105話 の世には居ない筈

last update publish date: 2026-09-26 20:16:26

 蹴り飛ばした音と共に、悲鳴がこだまする。部屋に一歩足を踏み入れると寝台の上が小さく盛り上がっていた。

 寝台に向かって足を進めるも、足元に何か落ちていることに気が付いた。拾いあげると、昨夜アンがオリヴィアに着せた檸檬色のナイトウエアだ。ビリビリに引き裂かれたそれを握り締め、彼女は顔を歪めた。

「無理矢理だったんですね」

「無理矢理じゃないわ。同意のもとなの」

「あの男を庇わないで下さい」

 盛り上がったシーツにそっと手を触れると中にいるオリヴィアの震えが手に伝わった。シーツを掴み引っ張ろうとするも、中からも引っ張られてしまう。

「私のことは、放っておいて!」

「いいえ! そういうわけにはいきません! 荷物をまとめましょう!」

「まとめないったら!」

 グイッ! と掴む。そこまで強く引っ張ったつもりはなかったが、簡単にシーツは奪えた──が、目線の高さにオリヴィアはいなかった。

「あっ!」

 と声が目線より下から聞こえて、視線を下げる
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